日曜日、友人の玄関先で 犬にかまれた。
飛びかかってきた瞬間 後ずさりしたが 間に合わず 左足すねをブチッと やられた。消毒を何度も念入りにした。
今では、4本の牙が刺さった後がかさぶたになり、その周辺がこんもり赤くなっている。
友人から、「病院へ行って頂だ~い。」とメールや電話で再三の願いがあったので、病院へ行って来た。
「赤いほてりがある時は、抗生物質の薬を処方したほうが良い。」と 医師から教わった。
夜、友人の電話が入り、「病院へ行って来たよ。」と 報告をした。
友人は「良かった。良かった。」と ひとまず安堵した様子だった。
病院を躊躇することは「友人に対してなんとも思慮の足りないことをしていたんだな。」と 申し訳なく思った。
「狂犬病にかかった時は、運が悪かったと思って、まぁ~死ぬ時を待つしかないよ。」といった調子だからね~。
私は自分の怪我に対して、ちょっと鈍感だ。
そんな鈍感な私でも犬に追いかけられ、「出来れば生きたい、死にたくは無い!」と 思ったことがある。
しとしと雨の降る日だった。私は、早朝4時、バイクで新聞配達をしていた。
工業団地のある一画に差し掛かった時、新聞をナイロンに入れようと立ち止まった際、数匹の犬に囲まれた。
「ウゥーーーーーーー。」と うなる鳴き声。
暗がりの中 白く光る牙。私を取り囲むようにじわじわ寄ってくる。
私はバイクにまたがり必死で走った。グリップをしっかり握り回し速度を上げた。
犬達は、容赦なく私の足首に次々飛びついてくる。
左足でギアを代えると即座に両足をVの字にハンドル程の高さまであげた。
私は、その格好のままスピードを上げ、直進するしかなかった。
一番大きい犬が最後まで追いかけてきた。
犬の目線は、すきあらばいつでも飛びつこうと私の足に向けられている。
何度目かの交差点を抜けると、犬はピタッと追いかけてこなかった。
縄張りがあったのだろう。私は犬たちの領域を荒らしたのだ。
あの区画に差し掛かったら立ち止まってはいけないことを 逃げ帰った私は、所長から知らされた。
犬の必死の形相がいつまでも目に浮かぶ。負けたくは無かった。立ち止まるわけにはいかない。
しんなりした奥様では生きていけない。もうちょっと強くなりたいと意欲が出てくる。
再度挑戦!
工業団地の塀に埋め込まれたポストに、走行しながら瞬時に片手で新聞を三つ折にして投げ込む。
犬のうなり声を聞きながらただひたすら突っ走り、その並びを同じように5件お届けする。
その工業団地を無事抜けた時、喜びが湧いてきた。
何事にも喜びが無いと前進しないものなのだろう。今となっては、なんとまぁ変な喜びだなぁと思う。
その後十余年そのお届けを頑張った。
「出来れば生きたい、死にたくは無い!」と 痛切に思ったあの時の感情が懐かしい。
「出来れば若返りたい!」と思う今の私は、安穏としている。
人生の折り返し地点を過ぎたかな?っと思う今日、特にしわとか しみが増えた分けではないけれど、普段の苦労が顔に出ないよう気を配っている。
家庭を切り盛りしなければならないといっても、あの経験を自分から背負うことはもう出来ない。
もう懲り懲りyo!
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